沖縄料理には豚肉は欠かすことのできない食材で、「豚は鳴き声以外はすべて食べる」と言われるほどです。
しかし、沖縄の豚肉の部位の呼び方には方言が独特過ぎてどこの部位なのか、わからないという方も多いのではないでしょうか?
ソーキとかミミガーあたりは聞いたことがあると思いますが、他にもたくさんあります。
そこで今回は、方言が独特な沖縄の豚肉の部位の呼び方をまとめてみました。
沖縄の豚肉の部位の呼び方
豚肉は、ビタミンB1が豊富に含まれ、鉄やリンなどミネラル、コラーゲンも含む大変、栄養価の高い食材として知られていますが、その豚肉を余すところなく食するという意味では沖縄が日本一なのではないでしょうか。
部位ごとに食感も異なる豚肉は、沖縄では鳴き声以外は全部食べると言われるほどに古くから生活に根付いています。
そして、下の豚肉の部位の図を見ておわかりのようにソーキやミミガー以外のほとんどの部位に沖縄独特の方言での呼び方があります。
公益財団法人 沖縄県畜産振興公社公式サイトより引用
沖縄の豚肉の部位と方言
1.鼻 ⇒ ハナブク:ミミガーと同じく大部分が蛋白質
2.舌(タン)⇒ シバ:タウリンが豊富な部位で、舌元の方が脂が乗っていて柔かいです。
3.顔の皮 ⇒ チラガー:コラーゲンが豊富でコリコリした食感が特徴で、煮物や和え物に使われます。スモークにするのも珍味で、野菜と炒め物にするのもおすすめです。沖縄の市場などでは、豚の顔がそのまま売られているので初めて見る方は驚かれると思います。
4.豚トロ ⇒ クミカンジシ:赤身に脂肪の筋が入っています。
5.耳 ⇒ ミミガー:皮と軟骨が主成分で軟骨のコリコリした食感が特徴で、薄くスライスして刺身、炒め物、和え物などに使われます。乾燥させてジャーキーにしてもおいしいです。
6.首肉 ⇒ クビジリ:硬くしっかりした歯ごたえが特徴で、カレーや肉じゃがなどの煮込み料理に向いています。硬い部位ですが、しっかりと煮込むとするとトロトロになります。
7.前肉 ⇒ グーヤーヌジー:赤身が多く淡白な味わいですが、肉本来の味が楽しめる部位です。筋が多いので焼くより、煮込み料理に向いています。
8.肩 ⇒ メージシ:脂が乗った煮込み料理に使われます。
9.肩ロース ⇒ ボージシ(Bロース):沖縄ではロースをAロースとBロースに分けて呼びます。Bロースは肩側で焼肉、煮込み、ソテーなど万能も部位です。Aロースより脂肪が多く味が濃いといわれます。
10.ロース ⇒ ボージシ(Aロース):ロースの尻側はAロースでBロースよりきめ細かく柔かく、ヒレと並ぶ高級部位です。
11.ヒレ ⇒ ウチナガニー:豚肉の中で最も柔かく脂身が少ない高級部位ですが、どういうわけか沖縄ではあまり人気がないようです。意外ですが、言われてみると沖縄ではあまり見かけることがないような気がします。
12.バラ(三枚肉)⇒ ハラガー:赤身と脂肪が層になっており、コクと風味があっておいしい部位です。脂肪が多く肉のキメはやや荒いですが、いろいろな料理に向いておりベーコンやソーセージなどにも使われます。沖縄では皮付きのものを使うことが多いです。
13.もも ⇒ チビジリ:豚肉の中では脂肪が少なくきめ細かい部位で、ボンレスハムの材料にも使われています。
14.そともも ⇒ フカムムジシ:筋肉の部分で、筋が多くキメが粗い部位なので煮込み料理に向いています。
15.肝臓(レバー)⇒ チム:鉄分・ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2などの栄養素が豊富で、煮込み(中身汁)や炒め物に使われます。
16.小腸(ヒモ)⇒ ビービーグァ:煮込み(中身汁)や炒め物に向いています。
17.大腸 ⇒ ウフワタ:コリコリとした歯ごたえが特徴で、煮込み(中身汁)や炒め物に使います。
18.肋骨(あばら・スペアリブ)⇒ ソーキ:スペアリブの部位ですが、バラ肉の中でも骨のついた部位を沖縄では「ソーキ」と呼びます。脂肪と肉がバランスがよく混じり合い骨の周りに肉がついていて、ダシを取りながら、そのままスープの具にもなり、沖縄そばに使われたりします。
19.豚足 ⇒ テビチ:ゼラチンとコラーゲンが豊富に含まれる部位で、いいダシが出るので煮込み料理に向いています。 沖縄ではおでんの具材にも使用されており、沖縄のコンビニおでんにはテビチがあるほどです。
20.豚足 ⇒ チマグ:豚足でも足の甲側は「チマグ」と呼ばれ、肉はほとんどなく、ほぼ骨と皮のみの部位です。ゼラチンが豊富に含まれ、煮物や汁物などに使われます。
21.しっぽ(テール)⇒ ジュー:炒め物料理として使われています。
22.血液 ⇒ チー:沖縄では豚の血も使われますが、栄養素は豊富です。炒め煮(チーイリチー)として使われ、コクがある味がします。
23.脂身(ラード)⇒ ウァーアンダ:揚げ油として使われます。
24.背骨 ⇒ ナカブニ:出汁を取る際に使われます。
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沖縄の豚肉の部位の呼び方~まとめ
今回は、方言が独特な沖縄の豚肉の部位の呼び方をまとめてみました。
沖縄の豚肉の部位の呼び方には独特な方言があっておもしろいですが、それにしても血まで使うのですから、まさに「豚は鳴き声以外はすべて食べる」という豚肉文化を感じます。
沖縄以外ではなかなか目にする機会がない部位もあるので、沖縄で見つけたら試してみるのもいいかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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