噛み応えがある肉が好みという方もいらっしゃいますが、硬い肉と柔らかい肉ではやはり柔らかい肉のほうがいいという方が多いと思います。
特にステーキなどの厚みのある肉の場合は、なおのことです。
しかし、せっかくの柔らかい肉でも扱い方ひとつで硬くなることが往々にしてあります。
このように肉が硬くなる原因や理由は、何でしょうか?
今回は、「肉が硬くなる原因と理由は?加熱の温度は部位によって違いも!」と題して、肉が硬くなる原因と理由などについて見ていきます。
肉が硬くなる原因と理由
一般的に、肉はよく動く部位が硬い傾向があります。
赤身の部分がこれに当たります。
なので、例えば運動量の多い牛などはよく動いた部位は硬くなる傾向がありますし、牛舎で育てられた時間が長い牛は動かさない部位は柔らかい肉になる傾向があります。
他にも脂肪の量によっても肉の硬さは、変わってきます。
これは育て方の問題ですから致し方ありませんが、問題は購入してから後に硬くなる場合です。
購入したての柔らかい肉が硬くなるのは、できるだけ避けたいところです。
肉が硬くなる主な原因や理由は、以下の通りです。
肉が硬くなる原因と理由①~水分不足
肉には適度な水分が含まれていて、これによって柔らかさが保たれています。
私たちの肌が水分の量によって、潤いがあるかないか違いが出ることを考えるとわかりやすいと思います。
肉についても同様のことがいえるのです。
肉が硬くなる原因と理由としては、しっかり火を通そうと焼き過ぎてしまったり塩を振りすぎてしまったりすることで硬くなる場合があります。
ステーキの焼き方がわかりやすいと思います。
ステーキの「レア」、「ミディアム」、「ウェルダン」を比較すると、「レア」はとても柔らかく、逆に「ウェルダン」はよく火が通っていて硬いです。
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肉が硬くなる原因と理由②~筋切り・繊維切りが不十分
肉は筋線維と脂肪からできていますが、この筋線維が強い部分は食感が硬くなるのは明らかです。
最初の塊を切る時に筋線維に沿って筋切りをするかどうかが、肉が硬くなる原因になります。
なので、繊維切りが十分になされた薄い肉ほど、柔らかくしやすいといえます。
肉たたきなどは、しっかり筋線維を切るという目的で行われています。
牛肉の加熱の温度は部位によって違い
肉は火の通し具合によっても硬くなる度合いが異なることは上述した通りですが、加熱の温度によっても違いがあります。
ここでは牛肉を例に説明したいと思います。
牛肉の部位にもよりますが、基本的には主に次の3つからできています。
・水分:約50%
・たんぱく質:約15%
・その他(脂質など):約35%
牛肉の約15%を占めるたんぱく質は、大きくは細いひも状の筋繊維タンパク質と強いコラーゲンからできており、コラーゲンが筋繊維タンパク質を束ねて筋肉を作り上げています。
筋繊維タンパク質は、50℃くらいから縮んで固くなり、加熱温度の上昇と過熱時間の増加によってさらに固くなっていきます。
一方、コラーゲンは70℃を超えるとゼラチン化しやすくなり、筋繊維タンパク質が崩れやすくなります。
このことから柔らかい部位の牛肉は高温短時間でさっと焼き上げ、コラーゲンの多い部位(硬い部位)は長い時間をかけて調理することで柔らかくなることがわかります。
ステーキなどはコラーゲンは少ないですし、牛スジ、ほほ肉、スネ肉などコラーゲンが多く含まれる部位に煮込み料理が多いのはこのためです。
肉が硬くなる原因と理由~まとめ
今回は、「肉が硬くなる原因と理由は?加熱の温度は部位によって違いも!」と題して、肉が硬くなる原因と理由について見てきました。
肉が硬くなるのは、水分消失と筋切り・繊維切りが不十分が大きな原因と理由です。
また、肉が硬くなるのは加熱の温度によっても違いがあり、柔らかい部位の牛肉は高温短時間でさっと焼き上げ、コラーゲンの多い部位(硬い部位)は長い時間をかけて調理するのがおすすめです。
肉が硬くなる原因と理由、加熱の温度と部位について簡単に紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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